Chinese Diner Mitsuo'

日曜日の夜の夢

バーどん底のこと

二十歳からの四年間を札幌で暮らしていた。大学に通い、好きな時に遊び、好きな時に働き、自由な時代を謳歌した。

仲間たちと華やいだ時代を大いにはしゃぎ、いつかは控えた卒業が近づくにつれ、賑やかだった声も静まってゆく。
古いカウンターで過ごした友達との鮮やかな思い出を、今になっては懐かしむだけ。旧く瀟洒に見えながら、しかし重厚にアールを描いたテーブルを囲む。

 

ドンカクをなみなみ注いで

コップをまえにおくと

ふしょうぶしょうにこの世界は動き出す

                                                   金子光晴

 

活気に溢れ、人にむせ返るような熱気の中、氷とピックを持った目の前のバーテンは明るく笑う。酎ハイにレモンをぐっと絞り、ふつふつと夢は泡に弾けてゆく。

いずれ時が下るにつれセピアに褪せていく、遠く離れた札幌の想い出を蘇らせてくれる。そんな古き良きカウンターが、東京新宿にあった。

 

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